子若嫉妬妄想

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さて今回は…子エビスに優しく接してくれる女中さんが現れて、
ゴリョ様はなんだか面白くない…!という妄想シリーズです。

私はヤキモチ焼くゴリョ様も、
ちょっとナイーブなゴリョ様も好き過ぎます。
「そういうのはもう十分です」って方はスルーで☆
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※以下、妄想のかけらです。苦手な方はご注意下さい。
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【わずらい1/5】



(最近のエビスのお気に入りは、あの女。
年配の女中だ。若くはない。)
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エビスが珍しくニコニコと使用人と話をしている…、と
子若が気が付いたのは最近です。
その安心している様な、信頼している様な
エビスの表情を見ていると、なんだか面白くありません。
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おばさんは、まだ小さいエビスが単身五嶺家で
働いているのが、可愛いやら、心配やら…で
つい色々世話を焼いたり、話しかけたりしてしまうのです。
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エビスはと言うと、
親身になって接して来るおばさんにとまどいつつも、
感傷的になったり、ちょっとずつ心開いたりです。


今までこんな大人はいなかった…
(もしかしたら居たのかもしれないが、
俺はひねくれていて、まともに相手をしなかった)

かけひきなしで、助けてくれようとする大人もいるんだな…。
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ある日、子エビスは遠方の神社に出かける事があって
境内で、おみやげ用の匂い袋か何かを買うのです。
ひとつはゴリョ様にで、もうひとつはおばさんの分なのです。

帰ってきて、まずゴリョ様に渡しました。
その後、おばさんに渡したのですが、そこをゴリョ様が目撃します。


…………。

ゴリョ様は貰った匂い袋を、くずかごに捨ててしまいます。
で、掃除の女中がくずかごの中を見て、机から落ちたのだと思い、


机に戻そうとすると、若が「それは捨てたんだ」と言います。
エビその場に居た為、ガーンとなります。




…あの女とアタシに同じ物をあてがいやがって

アタシは、あの女と同列か…?
それとも、あの女がアタシと同列なのか?

……後者だろう。 母親の居なかったエビスにとって
優しく接してくるあの女は…特別な存在なのだろう…



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【わずらい2/5】


子ゴリョ様のお風呂上りには、エビスが髪を乾かします。
座って俯くゴリョ様の髪を、立ってるエビスが乾かす様な図です。


「はい。若、もう良いですよ。」 とエビスが言いましたが
子若はちょっと眠そうです。 「若…布団で寝ましょう」

子ゴリョ様は、ぽてっとエビスにくっつきます。
「エビスは布団ではないですよ〜;;」
「……」
若はエビスのシャツをぎゅうっと掴んで離しません…
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子若は仲の良さそうなエビスとおばさんを思いだしています。

単純に女中にエビスを取られた様な嫉妬と、
温かい親の様な存在に対する微かな憧れやら…複雑な心境なのです。

(…あんなぬるい愛情に浸かろうとする恵比寿なんて…いらない)

ゴリョ様がオネムだと思ったエビスは
周りをキョロキョロ見渡し、誰も見ていない事を確かめてから
子若の頭をほわっと撫でるのでした。


「今日もお疲れ様でした、ゴリョー様」

(でも…これも、なんてぬるい愛情なんだろう…)



エビスはアタシに、甘える事は出来ない。
エビスはあの女に、甘えたいと思っただろうか…?
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そして冬のある日、エビスはマフラーを引っ掛けて
ダメにしてしまいます。するとおばさんが
「家に使っていないマフラーがあるから持ってきてあげる」と言います。

それを聞いていたゴリョ様は面白くありません。
エビスがその女中から貰った物を身に付けるなんて
すごくイライラしてしまいます。
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その日、エビスを下がらせた後、ゴリョ様はタンスをごそごそします
。 エビスはマフラーをひとつしか常備してなくても
ゴリョ様のマフラーは、常時いくつか、ここに入っているはずです。

が、なんて言って渡せばいいのでしょうか…
でも、とにかく、今夜中に渡さないと、
明日になったらあの女中がマフラーを持ってきてしまうでしょう。

そうなったら、それを使うな、と言う方が無理があるのだから。

だから、 早く、 渡してしまわねば。
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渡す文句なら何とでもなる、と思いながら
エビスの部屋に行くと、エビスは机に座ったまま
ウトウトと居眠りをしています。



寝ているのなら、むしろ好都合です。

子若はエビスの頭にマフラーを巻いて立ち去りました。

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途中、エビスは寝ぼけ眼で「布団で寝なきゃ…」とベッドに移るのですが
朝までマフラーの存在に気づきません。
で、朝  「!?」  と、なります。

翌朝、エビスは「これ、おばさんがくれた?」と聞くのですが
、 おばさんは「違うわ。でも良いマフラーねぇ」って言います。

でも…誰がどんなつもりで置いていったのか、
分からないマフラーするのは気が引ける…。
…もしかしたら、変な由来のマフラーで
誰かが俺を陥れようとしてるのかも…。  とエビスは思います。

その時、陰からじーっとみてる若に気付いたおばさんは

ひそっと「若様がくれたんじゃないかしら…」と言います。

「? え? そんなはずない…」
「そんな事もあるかもよ〜?」とおばさんはおどけた調子で言います。

「確かに、ゴリョー様のマフラーと良く似てるけど…」
「若様がくれたのよ〜、きっと!」
「いやいやいや…そんな事…」

きゃっきゃと盛り上がるおばさんと恵比寿を遠目に見て
やっぱり子若は面白くない…と思うのでした。



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【わずらい3/5】


エビスは、子若がイライラしている事には、なかなか気づきません。
自分は疑いようもなく、ゴリョ様を好きだし、大事です。

(口には出さないけど) 心情的には
ゴリョー様大好き!世界で一番大事!


って位、狂信的にデレデレです。
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そもそも、五嶺家に入ったばかりのエビスには
味方になってくれる人なんていなかったので、
自分を気にかけてくれるおばさんの存在が嬉しい感じなのです。
------------------------------------------------------------- 若も、別にそんなにイライラする事じゃないと
頭では思うのに、むかむかは抑えられず…、
気持ちを持て余してしまうのです。


「ふん、勝手にすればいいさ…」
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最初、おばさんはエビスを 「はなおちゃん」 と呼んでいました。
この 「はなおちゃん」 は、エビスもちょっと嫌そうでした。


ゴリョ様もその呼び方は、もちろん気に入りません。
ある日、若は女中を呼びとめて、ガツンと言いました。

エビスを下の名前で呼ぶな。
ちゃん付けするな。子ども扱いするな。 と

おばさんは少し驚いた様ですが、少し考えて、
「申し訳ありません…。……では、これからは…
エビスさん、とお呼びすれば良いですか?」と言いました。
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この頃になると、エビスも
なんだか最近五嶺様のご様子が変かも?…と感じます。
イライラしてるっていうか、まるで怒ってる様な感じがするからです。

「ゴリョー様、お疲れなんだろうか…」

おばさんは、呼び方を注意された件もあったので
「もしかしたら…ヤキモチ?」と言います。

「いや、それは無い…。」とエビスは否定しますが…

でも…、
「飼い犬が他人に尻尾振るのが面白くない」って感覚は
持ちえるかもしれない。と、エビスはぼんやり思いました。

が、そんな事を考えるのは、とても図々しい気がして
恥ずかしくなったので、すぐにその考えは振り切りました。

ともかく、そういう事ではないにしろ、
ゴリョー様が心穏やかでない事は、
エビスにとっても心配な事でありました。




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【わずらい4/5】


機嫌の悪い日の続く若なのですが、ある時風邪をひきました。

休みをとって、一日ゆっくり休んだら大分症状は良くなりました。
すると具合が悪かった時には、考える余裕の無かった
余計な事に思考が及びます。布団に入ったまま、考えてみました。

エビスとあの女中の事、それを見ると自分がイライラしてしまうこと。

考えて、楽になれる答えが見つかれば良かったのですが
考えても考えても、イライラを消化できませんでした。

どうして…



エビスが自分以外を好きになったって何も問題はないのだ、と
思えれば、少しは違ったのでしょうか?

ただ、子若はまだ子供だし、そう思い至る事は出来ずに
エビスの事が許せない、苦しい気持ちになってしまうのでした。

その感情に嫌気がさしてきます。
もうエビスの事なんて考えたくないし、エビスの顔も見たくないと思いました。

でも、そう思うと涙が出そうになりました。
こんな事で泣くなんて冗談じゃない、と思いました。

さっぱりした外の空気がすいたいと思ったので、
起き上がって縁側の方の障子を開けると、
外の空気はひんやりとしていて心地よく感じられました。
(季節は晩秋から初冬のイメージ)


気持ちまで、さっぱりする様です。

このまま、ここから離れたい衝動にかられた子若は履物
(急に散歩に行きたくなった時の為に縁側に置いてある)
を履いて庭に出ました。
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しばらく席を外していたエビスが
寝室に戻ると、ゴリョー様がいないので、衝撃です。


「わ、若…っ!?」
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モヤモヤした感情から逃げる様に、
子若はどんどん庭の木立の中に入っていきました。

でも、風邪が治りきっていないので、すぐに具合が悪くなりました。
子若は林で座り込んでしまいます。

「ゴリョー様ぁー!!」

そんなには離れていない場所だったので、
割とすぐにエビスに発見されました。

エビス (へのイライラ) から逃げてきたのですが
こうしてエビスが青い顔をして、必死に自分を探しに来た姿を見ると
なぜか、ほっとして、怒っていた気持ちは消えてしまいました。
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「五嶺様!大丈夫ですか!?」
ふるふる…と頭振る子若は、とても怠そうに見えます。
エビスがおでこに触ると、また熱が上がってしまっている様でした。

「待っててください。今誰か呼んで来ます!」

エビスは、「誰か」と言ったのに、何故かあの女中が頭に浮かぶ子若です。
こういう状況で、エビスが今一番頼りにするのは、あの女中だと感じたのです。


「ゴリョー様!?」

「…行くな…っ」
(あの女…エビスの心を奪う)

「エビス…っ」
(離れていくな…)
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「若…、大丈夫ですよ?家の者を呼んでくるだけです」
すぐに戻ってきますから…。とエビスは言います。

「嫌だ」

離さない子若。ぎゅうっと服を掴みます。

「………;若…」

「…いやだと…言ってるだろ、このちびぼけ下衆だるまがッ!!」
大声を出したら、頭がくらくらして、子若はぐったりしてしまいました。
エビスは子若を木の根本に座らせて、自分にも言い聞かせる様に
「すぐ戻ってきますから…」と言いました。

とは言うものの、
こんな状態の五嶺様をこんな所に一人置いていくのは気が引けます。

しかし、子若が自分で歩くのは無理そうなのです。
五嶺様を抱えられる、誰か大人の手を借りなくては…。
(こんな時、エビスは非力な自分がとても悔しいのでした。)

でも…、自分が屋敷まで走って戻って…
人を呼んで…ここまで戻ってくるのに、10分くらいだろうか…。
それから、若を連れて屋敷まで戻る…。

うすら寒いこの林に、10分…
子若をひとり残していくのは、エビスも気が退けるのでした。

何か方法がないだろうか、もっと良い方法が…。
頭をひねると、割とすぐ、閃きましたが…
子若が良い返事をするかどうかが問題でした。

「…五嶺様、エビスの背中に乗れますか…?」

子エビスは子若を背負って、一緒に戻ろうと思ったのでした。
子若の方が少し身長が高いのですが、同じくらいの体格だし
ゴリョさまはひょろっとしてて、自分はずんぐりしてます。背負えると思いました。

(ただ、ゴリョー様は嫌がるかもしれない…)

…子若は、じっと、自分に向けられたエビス背中を
見ていましたが、こくんと頷きました。
ちょっと躊躇してから、そうっと乗ってきました。

少しよたよたとしながら、ゴリョ様をおぶって歩くエビスです。





ゴリョ様はエビスの体温を感じながら
(……許してやっても良い…)と、ぼんやり思いました。

誰を好きなっても、エビスにはゴリョ様がとっても大事で、
ゴリョ様の為には苦労を厭わないって事を再認識して、
なんとなく安心したのかもしれないです。
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でも、屋敷近くまで戻った時、
たまたま付近に居たおばさんが、二人に気がついて
「どうしたんですか!?」と駆け寄って来た時、
子若は反射的にエビスの首元をぐぃっと掴んでしまって
エビスはグェってなるのでした。(危ないから真似しちゃ駄目)。





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【わずらい・5/5】


おばさんが仕事を辞める事になりました。

遠方で一人暮らしをしていたおばさんの母親が
体調を崩したので、看病する為に実家に戻り
そこに腰を据える事にしたのです。

おばさんも迷った末の結論だったのですが
お別れの日はやっぱり寂しくて
 「元気でね…」と何度も言って、泣きました。

エビスも寂しかったのですが、精一杯
おばさんを励まそうと「元気で」と見送りました。


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エビスの少ししょんぼりした背中を見ていたら
子若まで泣きたい様な気持ちになりました。

あの女が居なくなって…
エビスがあの女に見せていた表情を
見る事はなくなったけれど…

気持ちが晴れる訳ではありませんでした。
ちっとも、嬉しくなかったのです。
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あくる日子若は、おばさんが最初の頃
(子若が「エビスを子供扱いするな!」と言う以前)
エビスの頭にほわりと手を乗せて、
撫でていた事があるのを思い出しました。

…この所、エビスは、よく働いているから、
だから、アタシがエビスを撫でてやってもいい。
「もっと精進せい」と、励ましてやっても良い。

子若がエビスの頭に手を伸ばしてみると
エビスは、ぶたれると思った様で
ビクっと縮こまって、表情を曇らせました。

その縮まり具合に、撫でる気力がそがれました。
きびすを返して、ぷいっとどこかに行ってしまう子若です。

「………、ふん!」



エビス「???」ってなります。


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あくる日…
エビスは普段どおり振舞っていました。
庭の枯れ落ち葉なんかを掃除したりしていました。

でも、ふと、空を見上げて、少しの時間、ぼーっと
ちょっとだけ、おばさんの事を考えていたりしました。

そんな時、子若がエビスの前に立ちふさがります。


じ〜っと、睨まれます。エビスはやはり表情を曇らせて 
「あの…、なんでしょう。ゴリョー様…」と言いました。

子若は
「今日は特別だからな」と言って、エビスの頭を抱きこみました。



エビス「!?」と、なります。

「今日だけ、アタシがあの女の代わりになってやる」
「え…、え!俺、あの人にこんな事してません…;;」
「甘えてみたいと、思ったんじゃないのか」
「ど…して…ですか」 そりゃあ、ちょっとだけ、ちょっとだけ
(こういう人が母親だったら…)と思った事がありました。

なるべく優しく、エビスの頭を撫でる子若。
「………」エビスは、どうしようと困惑してしまいます。
「甘えていいと言っている」

無理です。とエビスは思いました。
おばさんはおばさんで、ゴリョー様はゴリョー様です。

でも…、ゴリョー様は俺が落ち込んでいると思って
(実際少し落ち込んでいたけど)気をつかってくれてるのか…。
その気持ちだけでとても嬉しく、ゴリョー様の事がもっと好きになりました。

エビスは「あ、ありがとうございます。五嶺様…」と体を離しました。
五嶺様は不満だった様で、ぐいっとエビスの腕を引っ張りよせ
もう一度抱きしめました。「良いって言ってるだろ」

「いえ、そもそも、どうしたら良いのか、よく分からないしですし…。」


(あわわ…なんかコレ…、他の社員に見られたらどうしよう…)
エビスは、心臓がドキドキしてきました。

「…他の社員に見られたら」
「え」
「アタシがお前にヤキ入れる為に、物陰に連れ込んだと言えばいい」

そんな事を話していたら、
本当に他の社員が子若を探して近づいてきました。

その社員が塀の向こうから、子若を見つけ 「若様」 と
声をかけようとした瞬間
五嶺様はエビスをパチーンとひっぱたきました。
社員は、倒れこんだ子エビスに気がついて驚きました。

「ど、どうされましたか!?」
「……この豚が、いつまでも
メソメソしてるんで気合を入れていた」

「そそ、そうなんです。申し訳ありません。」
エビスはヒリヒリする頬を擦りながら言いました。

「そう…ですか。あ、五嶺様、お客様がお見えです」
「分かった。今行く。」
子若はエビスの方を振り返る事なく、スタスタと屋敷の方に戻って行きました。

子若を呼びに来た社員は
ぶたれた子エビスの表情を伺ったのですが、
その表情があまりに穏やかだったので、放心しているのかと思い

「大丈夫だって。若様は見限ったら本当にクビになさるんだから。
だからあんまり落ち込むなよ。」 と励ましてくれました。

子エビスは、その人には声に出してお礼を言い、
子若には、心の中で、お礼を言いました。
(…ありがとうございます、ゴリョー様…)



(おしまい)
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ここまで読んで下さった方がいたらありがとうございます;


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